3.11以後・雑感メモ-1社会構造と現代の医療、そして伝統医学など |
社会構造と現代の医療、そして伝統医学など
2011/07/04
3.11地震と原発事故の後日本はすっかり様変わりしてしまった。(ちょうどアメリカの9.11の後のように)
1995の阪神大震災とオーム事件がもたらしたものが、更に拡大した形で日本中の人々に降りかかり、1995にはすぐ閉じた傷口は今回はいまだ開いたままだといえる。
オーム事件で明らかになった彼らの組織やマインドコントロールの社会は、現在の日本社会のミニチュア化した戯画であり、すでに十五年前に今日の現実を警告していた。
今回あらためて、
①巨大な複合体によって作られた世界と
②近代科学技術の負の側面、
③マスメディア(報道)を通じたプロパガンタとマインドコントロール・・・が白日のもとにあらわになった。
今回の原発事故を通して意識された問題点として、
①大規模・大量・集中・という効率主義の弊害。
②巨大化した組織の官僚主義と非効率性、
③自ら思考できない人間を作るマニュアル主義
などがある。
どれも伝統医学には向かない制度である。
一、巨大な複合体
(1)原子力に関するメディア(報)のプロパガンダと、現代医療におけるメディアのプロパガンダは相似の構造を持つ。
政-官-産-学-報-軍・・・・原子力
政-官-産-学-報・・・・・現代医療・現代農業
原子力と現代医療はともに、巨大な産業である。
どちらも近代の戦争とともに発達してきた。
軍事産業は、人々の資産と生命そのものを蕩尽し消費する。
兵器から生まれた農薬は生態系を破壊し、穀物や野菜の種子・種苗は生物学的に手をくわえられて自殺する種子・殺虫植物となり、物戦略的な物資となった。
現代の医学の一部(すべてとは言わない)は、自然界と隔てられた空間を人工的に拡大することや毒性の強い藥物・効果の少ない薬物を経済原理優先で使用すること、人の生命と身体そのものを材料とし、一種の食人や極度の身体と生命の加工にまで至ることで、生命を消費している。(抗がん剤、臓器移植、生殖医療、DNA診断etc)
そしてそういった害を覆い隠し、害をあたかも益であるかのようにマスコミは公言する。
医療でいえば、脳循環改善薬やインフルエンザワクチンなどは効果がなくても、あるいは害がある場合でさえも、投資が回収され利益を上げるまでは売り続けられる。
駆動する力は貪欲さである。
(2)社会政策に含まれる衛生学・医療政策・・・医学はさらにまたその一分枝
近代の医療は、それ以前のような個々の医療者のものである割合が大きく後退し、社会制度・経済制度(医療産業)の支配する領域となった。
善意の個々の医療者は、こうした複合体が作り出す経済社会制度の中で、意図せざる役割を演じさせられている。
現代医学の一部に含まれると考えられている公衆衛生学は、医学・生物学と統計学を応用した『政治』(社会政策)である。医学がじつは政治の一部分であり、医学・医療はその中に公衆衛生学を含むのではなく、政治の政策の中の一つの分枝なのである。
二、近代の科学技術
(1)大量生産・巨大技術・大量消費・需要を無理やり作り出す
産業革命以降の科学技術は、大量生産・巨大技術・大量消費に特徴づけられて発達してきた。
政-官-産-学-報-軍の複合体は、需要を(あらたな欲望の喚起し、あるいはあらかじめ不安を作りだしその解消へのさらなる欲望を喚起するという方法を駆使しつつ)を作り出して、科学技術を需要に応じた商品生産に奉仕させる。
学者と学会は膨大な研究費を、国(政-官)と産業界から調達する。
研究の方向性は産業界の意向によって決まってゆく。
基本的に儲からない分野には予算は回らない。
産学・政官は、儲かるように需要を作りだしながら科学技術を産業化する。
産業は、さらに国際的な金融資本によって方向づけられている。
(2)科学は政治的に中立ではない。
学会は、一定の既成の『真理』を保証し、それを前提とした社会システムに依存している。ほとんどの職業学者は、既定の『真理』の中で自らの住処(すみか・ニッチ)をめぐって競い合う。
すでにある学会や社会のシステムを根底から崩すような研究はリスクが大きく、困難が多く注目もされない。
*たとえば夏井睦の湿潤外傷治療法や、西原克成の免疫論や進化論、池田清彦の進化論批判・・・など
(3)学校制度のもとでの、マスプロ教育と記憶重視
大勢の人間を、同時に同一の教科書と教授法・記憶量あるいは決まった解法を試す試験
によって教育するということは、画一化と思考力の弱体化を招く。
三、マスメディア
(1)マスメディアは、方向づけられている
・・・・・大本営発表のような政府と東電の会見を、無批判に垂れ流している。
現代の科学は時代(政治・産業など)の要請によって『真理』をいかようにも作り出したり、捻じ曲げたりする。
その先導役はマスメディアである。
たとえばCO2温暖化説は、一種の詐欺であることはここ数年で広く知られ始めたが、一度政治的に正しいとされ、産業が動けば世界的に方向が決まってしまい、誤った科学理論に基づく政策は、しばらくは是正されないまま命脈をたもつ。
産業は設備投資を回収するまでは、既定の方針を変えない。
*BBCによる2007の番組『地球温暖化詐欺』参照
* 参考(一)・
2007の番組『地球温暖化詐欺』について@yadaosamuおさむツイッターより
①CO2と原発のなれそめ・・・パート・ボリンのCO2温暖化仮説に飛びついたのは、炭鉱労組と中東を信用せす原子力推進に関心を持つマーガレット・サッチャーだった。彼女はお金を用意し王立協会で科学者たちに証明を依頼した。地球温暖化詐欺5/8http://bit.ly/mvorLo6月8日 Tabtterから
②サッチャーの要請で英国気象庁は気候モデル部門を設立、のちに国際委員会となってIPPCの基礎となる。その内容は気象科学を完全に無視していた。BBC地球温暖化詐欺5/8-http://www.youtube.com/watch?v=6hERKrs72VI&NR=16月8日 Tabtterから
③環境保護思想もCO2温暖化仮説を受けいれた。反自動車・反成長・反開発といった“中世環境主義”と、ベルリンの壁崩壊後の“環境派左翼”の反資本主義にとって人為的CO2は、都合のよいものだった。BBC地球温暖化詐欺5/8-http://bit.ly/mvorLo6月8日 Tabtterから
④その結果反資本主義環境活動家と右派サッチャーとの奇妙な同盟が生まれ、CO2温暖化説は1990年代に政治キャンペーとなった。この分野への助成金は十倍以上に跳ね上がった。BBC地球温暖化詐欺5/8-http://bit.ly/mvorLo6月8日 Tabtterから
*参考(二)・
井上雅夫ブログ『二酸化炭素は本当に地球温暖化の原因か?(その3)』
http://www.venus.dti.ne.jp/~inoue-m/on_co2_3.htm#t191
(2)エンターテイメントも、方向づけられている
問題点
①マスプロ(大規模・大量・集中)の害
②巨大化した組織の官僚主義と非効率性、
③マニュアル主義
参考・伝統医学の現代社会における位置
個別対応・小規模・分散・低コスト・低侵襲性というのが、現代医学と比較した政治・経済的なシステムとしての特徴。
現代の社会全体が、大量生産・大量消費・大規模集中といった従来の在り方から離脱しない限り、伝統医学の役割は限定的に留まるだろう。