呼吸と気の升降出入⑨鍼灸5鍼接触 |
三、鍼灸(特に鍼)では、呼吸をどう応用するのか。 ・・・・5
(二)接触だけの場合
(1)毫鍼
例・・・ (毫鍼による接触・続き)
肝兪・・・理気
内関・・・理気、寛胸
肝鬱気滞が強いと、腹・背ともに緊張が強くパンパンに張っていることがある。
触るとくすぐったい。
わずかに押すだけでも、
苦しい(特に腹部の心下や脇腹、季肋など)、あるいは
痛い(背部腧穴T8-9から上、膏肓・魄戸にかけてと、後頚部など)。
手を触れただけでもくすぐったいので、背中に切皮しようと鍼管で触ると身をよじる、あるいは切皮するととても痛がる。
こんなときには、まずタオルで軽く腹背をなでて、衛気の気滞を取ると、くすぐったさが減る。
衛気の気滞をとるためには、タオルのほか、散鍼でも良い。
そして刺さなくても、毫鍼の接触だけで、理気できる場合が多い。
(例・背部は肝兪、腹部は内関)
接触しながら途中で確認すると、
腹・背の緊張が取れていく様子がよくわかる。
おそくとも五~六呼吸ないし
、十呼吸くらいの時間のうちに変化する。
単純に接触しているより、
呼吸にあわせた手技をするほうが効果が出やすい。
手技は瀉法なので、刺すときのように、
吐く息で押手に圧をかけ、
刺し手はわずかに反時計周りにひねり、
吸う息で押手を少し緩め、
刺し手は時計回りにわずかに戻す。
これをを繰り返す。