症例・腎気上攻(背熱痛)2 診断治療、配穴手技 |
病因・病機
治法と生活指導
配穴・選穴・取穴・手技など
《肩背部の刺針と、取穴について》
《症例》・・・腎気上攻(背痛と灼熱感)2
診断
弁病・・・・・・背熱痛(兼心悸)
弁証・・・・・・腎気上攻・兼気滞・痰
病因・病機
腎気陰両虚
(上実下虚・上熱下寒・収斂下降の気の不足)
による虚熱が、上攻して、
背部に停滞すると背痛・背灼熱を為す。
さらに嵩じると停滞する範囲が広がり、
腕痛と耳灼熱にいたる。
背中から更に胸部にも停滞すると、
肩の急な凝りと心悸と不安感を生じる。
久坐の技芸(レザークラフト)による気滞血瘀は、
虚熱の停滞を増加させ症状を強くする。
症状が気になり肝気滞を生じる。
素体が脾虚失健運であるのに加えて、
多飲によって滞った久湿は、
痰と成って気滞を伴い、
梅核気となる。
治法と生活指導
(1)「清虚熱」と「養陰」を、主とする。
先に熱を取る。
(2)理気・健脾化湿を、佐とする。
(3)生活指導
本人は、今まで心がけて(のどが乾かなくても)飲んでいた。
そこで、咽が渇いたら飲むようにして、
水分の摂取を減らすようにしてもらう。
配穴・選穴・取穴・手技など
▲は瀉又は通絡。
○は補。
詳しくは以下を参考のこと
http://magicsam.exblog.jp/13376404/
(1)配穴
膏盲(又は魄戸)▲、
前頂▲、
双郄門(又は大陵)▲、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・清虚熱・理気
関元○、
復留○、
腎兪(又は志室)○
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・養陰
《加減》
健脾化湿・・・・脾兪○、足三里○、
理気・・・・・・・・大衝○、合谷○、
選穴・取穴方法1.上記の穴を全て使うわけではなく、
毎回、三穴から六穴(左右各々一穴として)を選び使用する。
2.左右は穴の虚実によって選ぶ。
督脉・任脉の穴も左右にずれた反応があれば、それに従う。
3.虚又は実が強ければ両側使う。
(2)手技毫鍼で1.提挿を組み合わせる。
2.開闔
3.呼吸
4.捻転
《肩背部の刺針と、取穴について》うつ伏せで
胸にマットを入れたり、両腕をベッドから下に垂らす。
あるいは、
うつ伏せ、
気をつけの要領で体幹に両腕をつけてもらう。
等によって
肩背を開き、肩甲間の二行・三行まで触れるように工夫
する。
肩甲間全体を触って、一番しこって圧痛の強いところを使うと効果的。
深さは、
凝りの真ん中くらいまでにして、深くは刺さない。
押し手(左)は、
圧迫の程度を比較的強くする。