症例アトピー①患者・病歴 |
(兼、頭痛・肩こり・生理痛)
Ⅰ症例1患者Ⅱ考察・・・素体と病機・治癒経過
2初診
3主訴
4 ○印した問診表の項目
5現病歴
6四診
7診断と病機
8治療と生活指導
9経過
病機図1、素体と病機の分析Ⅲ注
2、治癒経過の分析
3、まとめ
Ⅰ症例
1患者
女性35歳(初診時) 、
身長155cm、体重45kg
既婚(子供三人、7歳、5歳、2歳)
2初診
2007年8月3日
3主訴
(1)アトピー性皮膚炎 (詳しくは、現病歴と症状経過表を参照のこと)
(2)肩こり(中学時代から常にある)
(3)頭痛(つよい肩こりを伴う)中学時代から始まった。
肩こりが強くなってくると、月に数回後頭部痛と両方のコメカミ痛が起きる。
最近は右の頭痛が多い。
(4)冷え性小学校のころから涼しいとすぐ手足が冷える。
冬になると指が割れる。
七~八年前(2000年ころ)より、冬暖房の中で足は冷え顏が火照るようになり、それまで青白かった顏色が、頬の辺りだけ赤くなってきた。
(5)その他生理痛
(本人は主訴としていなかった。くわしくは四診の生理の項目参照)
初潮十二歳、以後ほぼ毎回生理痛(下腹)があり、鎮痛剤をしばしば使用する。
4○印した問診表の項目
肩がこる、
体が重い、
風呂に長く入るとしんどい(後で疲れる)、
足が冷える、
冷え性
憂鬱に成りやすい、
立ちくらみする、
ガスがよくたまる、
よくカゼをひく、
かぶれやすい、
喉がよく腫れる、
涼しいとすぐ手足が冷える、
季節の変わり目に体調がわるくなる、
5現病歴 (症状経過表参照)
アトピーは高校生のときに始まる。
社会人になってからは、数年に一回ひどくなりって半年から一年ほどで緩解してほとんど全くでなくなり、再び悪化する・・・・という繰り返し。
今回は07年5月に急に悪化し全身に出た。
同時に盗汗・足の冷え・急なのぼせ(ホットフラッシュ)も始まった。
痒みがひどいときは、動悸と息苦しさを伴う。
夜間痒くて熟睡できない。
(湿疹の部位や皮膚の性情は、望診の項目参照)
【症状経過表】
小さいときから乾燥肌だった。
小学生のころからシモヤケによくなる。
高校時代に、手の指からアトピーが始まった。
三年のときに転居し、電車通学することになり睡眠時間が5時間前後と少なくなった。
そのころからアトピーが悪化し始めて四肢にも広がる。
以後約十年間、ステロイド軟膏を使用する。
二十三歳
塾の教師をはじめるが(二十八歳まで)、多忙で休みが無かった。
アトピーが悪化してきた。
二十七歳(1998)
ステロイドをやめたところ、リバウンドで顔面、まぶたなどが腫れ、約半年じくじくしていた。 (顔面にはステロイドを塗っていない。)
S医院で漢方治療を受けたが、一進一退。
二十八歳 (1999)
結婚。両目白内障の手術をする。
以後、年一回眼科で検査している。
二十九歳(2000)
第一子出産(一月)。
赤ん坊の夜泣きにバテて、三ヶ月で母乳からミルクに切り替える。
秋にアトピー悪化。
三十一歳(2002)
第二子出産(一月)。
五月にアトピー悪化、中耳炎になる。
母乳四ヶ月で中断。
秋からミネラルのサプリメントを経口摂取し始め、その半年後(翌春)にはアトピーが改善し、以後四年ほど(`03~`06)は出なかった。
三十四歳(2005)
第三子出産。(十二月)
今回は産後アトピー出なかった。
一年間母乳で育てた。
しかし産後、しばしば喉が痛くなるようになった。
三十六歳(2007)
五月、それまで経口摂取していたミネラルのサプリを、噴霧で吸入し始めたころから、アトピー悪化。(吸入はすぐ中止。経口摂取は継続)
一気に、顏、首、胸、背中、四肢、手指とほぼ全身に広がる。
同時にホットフラッシュと、盗汗、足の冷えも始まる。
かゆくて熟睡できない。