鍼と呼吸 5-深さの問題 |
Ⅰ 刺入する場合・・・呼吸⑤
四、刺入後(置鍼中)の手技と深さ・・・呼吸⑦
(一)手技について
(二)深さの問題
1切皮の後
2血脉はあらゆる深さにある。
3肌肉には厚さがある
4肌肉の薄い部位
5押手で加圧し穴位の肌肉を圧迫して浅刺・接触
6押手で下圧しながら刺入
(二) 深さの問題
鍼は、刺入した深さの気を動かせる。皮毛・・・肺
血脉・・・心
肌肉・・・脾
筋腱・・・肝
骨髓・・・腎
五臓に対応した五層の深さを意識して手技をする。
鍼は各層の気を動かすことで、
二次的に気血津液と五臓の精に働きかけると考える。
1切皮の後
どの深さの気を動かしたいかによって手技が違ってくる。
浅い部位にとどめれば表の衛気が増す。
散らせは理気や解表。
浅い部位から深い部位に気を移せば、
その深さの気が充実する。
ある深さに鍼をとどめれば、
その深さの気が増しその深さの臓腑に影響する。
2血脉はあらゆる深さにある
ある深さで呼吸にあわせて堤挿すれば、
その深さで活血と通絡できる。
深ければ筋腱、
浅ければ肌肉。
3肌肉には厚さがある
肌肉の厚い部位で横刺すれば、
皮毛から肌肉にかけての、
肌肉を中心とした広い幅の気を動かせる。
4肌肉の薄い部位
頭皮や指先などは、
肌肉と筋腱はわずかで、皮毛からすぐ骨髓にいたる。
横刺や鍉鍼での圧迫などで、全身の広い層に影響が及ぶ。
5押手で加圧し穴位の肌肉を圧迫して浅刺・接触
皮毛の衛気を傷つけずに、
肌肉や筋腱の気を動かせる。
鍉鍼や毫鍼の接触でも、ある程度肌肉の気が動く。
しかし、活血は刺さないと効果がだせない。
6押手で下圧しながら刺入
まず、刺し手で鍼の深さを一定にしたまま、
押手の下圧を吸う息で弱めると、圧迫された肌肉が元に戻り、
鍼は深く入っていく。
次に、押手で鍼体を保持したまま、
吐く息で下圧を強める。
(刺手は心持引きあげる)
もう一度吸う息で、押手のちからを抜く。
(刺手はわずかに進める)
再び鍼は深く入っていく。
これを、わずかな動きで繰り返すと、痛みなく刺入しやすい。