症例・喘息-8経過-緩解期 |
Ⅱ症例
7治療と経過(1)急性期(鍼灸)
(2)緩解期(鍼灸と湯液・・・5/15以降10/17まで)
概要
A鍼灸
B湯液
7治療と経過
(2) 緩解期 (A鍼灸とB湯液・・・・5/15以降10/17まで)
【概要】
①5/15~10/17・・・・この間は大きな喘息発作は起きていない。
5/16から湯液服用。
服用後一時胃もたれがあったが、一日全体の摂取水分量を調節し、
さらに処方の量を減らして解決。
②夜間尿は発作期には二~三回有ったが、5/16には0~1回になる。
③息切れ・易疲労は、5月中旬に無くなる。
④痰は6月初旬まで時々少量出ていたが以後なくなった。
⑤6月初旬までには、おなかの動気も目立たなくなった。
⑦自汗(すぐ汗出る、特に背中がいつも湿っている)とホットフラッシュは十月現在も続いている。
⑧ごく軽いゼーゼー・ヒューヒューは数回あった。
一回目は5/27
雨が数日続いたので、前夜すこしヒューヒューなりかけた。
ステロイド吸入を、初めて使用。
二回目は7/28
夏ばて気味のところに冷房に当たって夕方ゼーゼーした。
三回目は、10/17
朝夕涼しくなってヒューヒューなりかけた。
⑨今までこの方はステロイド吸入や気管支拡張剤などの西洋薬は使用していなかった。今回初めて本人の希望もあって使用。
いづれもごく軽い喘鳴や呼吸困難だったので
ステロイドの吸入(フルタイド)一、二回ですぐ治まっている。
5/15以降10/17までの期間、フルタイドの使用は上記を含めての数回だけで済んでいる。
⑩今までは梅雨時・で必ず調子が悪く(頭痛・軽い喘息)なっていたが、最近は体調はよい。
台風・
低気圧・
雨など
ただし冷房と、涼しい気候は影響がある。
それでも例年の夏秋に比べると、格段に調子がよい。
⑪しかしすこし油断して活動量が過ぎて、同時に気候が悪かったりすると、喘息になりそうな前兆が出る。
食べ過ぎたり
【A 鍼灸】 (5/15~10/17まで四十六回治療)
①六診5/15から二十診6/3まで・・・(週五回治療)だるさ・息切れもなくなり、5/22には電車で来院可能となる。《治療》・・・心下緊張時には打鍼も使うが、普段は毫鍼を主とする。
ただし電車に冷房が入った日には、冷えてだるくなり夜間頻尿となるが、喘息はなかった。
疲れたり、天気が悪いときは、心下に緊張ができるが、治療するとすぐ消える。
5/17夜間の尿が一回になる。
5/17~5/19雨だったのですこし息苦しかった。
(程度は軽い)
5/23三日目から胃にもたれだしたので、五日飲んで休止した。(漢方初診5/16方)
5/27雨が数日続いた。
天気のせいで夕べはすこしヒューヒューなりかけたので、ステロイド吸入を初めて使った。
5/29食後の茶をやめて、一日の水分量を調節した。
更に漢方一日分を二日で飲んだら、胃の調子よい。
漢方薬の分の水分が過剰で脾胃に負担がかかったようだ。
(②5/23方)5/22まで気陰双補
・・・毫鍼・脾兪〇、復留〇、尺沢〇、魄戸▲
5/23から健脾・降気
・・・毫鍼・脾兪〇、足三〇、関元〇
自宅灸
・・・足三里・照海・関元3壮(以後同)
②二十一診6/5から三十二診6/30まで ・・・(週三回治療)
6/5に預けていた犬が帰ってきた。《治療》・・・健脾・降気・養陰
犬の散歩・雨や低気圧でも大丈夫。
ここ数年空腹感がなかったが、このごろはお腹がすいたと感じる。
漢方の量を減らしてもらったら、胃は良くなってきた。
(③5/30方)
おなかの動気は目立たなくなった。
6/14には普通の生活に戻った。
「今思い起こせば、三から四年前より生活の中で無理を重ねてきた」・・・と本人回想する。毫鍼・・・脾兪〇、関元〇、照海(又は復留or三陰交〇)
自宅灸同前
③三十三診7/4から四十二診8/12まで・・・(週二回治療)
梅雨時だが、元気。《治療》・・・気陰双補
梅雨に毎年出る湿疹が今年も出た。
バスの冷房がこたえる。
7/29夕方スーパーの冷房で冷えた。
pm9:00ころゼーゼーしたが、ステロイド吸入で治まった。
このころはホットフラッシュもない。
以前は夏の便秘対策で、果物(バナナ・モモ・イチヂクなど)を良く食べていた。
果物は05,12月にS先生に注意されてやめた。毫鍼・・・脾兪〇、復留〇
、 (時に養陰血・肝兪、三陰交を加える)
自宅灸同前
④四十三診8/19診以降五十一診10/17まで・・・(週一回治療)
八月と九月の台風のときも、頭痛・息切れ共になし。《治療》・・・・・気陰双補
十月になって涼しくなったら、早朝わずかに息苦しいことがあるが、ステロイド吸入ですぐ治まる。
例年の秋に比べると、とても元気。
時々ホットフラッシュあり。
漢方に乾地黄・女貞子・土鼈甲など入っているが、胃は大丈夫。毫鍼・・・・・脾兪〇、復留〇、(時に合谷〇)
自宅灸・・・同前加・合谷三壮
【B 湯液処方】 中医専門診療所にて5/16から処方され湯液服用
治法は主に降気宣肺・化痰・気陰双補 (単位g・・・5/16~9/26まで十一回処方)
①初診5/16
湯液5/16方吸入
桑葉5、杏仁5、五味子3、麦門冬7、人參5、
栝樓實7、貝母7、白芍藥7、地竜5、
代赭石10、玄参5、炙甘草3
・・・・・・7日分
湯液服後三日目から胃もたれる。フルタイド100・・・・・4ブリスター(4日分)
②5/23方・・・5/16方・去・代赭石,
加・黄耆10、(×7)
胃はまだ変。
③5/30方桑葉3、杏3仁、五味子2、黄耆7、人參3、
白芍藥5、栝樓實5、麦門冬4、玄参3、
土鼈7甲、青蒿4、炙甘草2
・・・・・4日分
この処方から胃もたれなくなる。
④6/65/30方(×7)
⑤6/205/30方
加・玉竹5(×14)
⑥7/45/30方・
去・麦門冬、栝樓實、
加・女貞子7、珍珠15、(×14)
⑦7/185/30方・
去・麦門冬、栝樓實、
加・女貞子7、珍珠15、(×14)
⑧8/15/30方・
去・麦門冬、栝樓實、
加・女貞子7、珍珠15、麻子仁7、(×21)
⑨8/225/30方・
去・麦門冬、栝樓實、
加・女貞子7、珍珠15、 (×14)
⑩9/55/30方・
去・麦門冬、栝樓實、
加・乾地黄5、女貞子7、代赭石10、(×21)
⑪9/265/30方・
去・麦門冬、栝樓實、黄耆、
加・乾地黄5、女貞子7、代赭石7、土鼈甲10、 (×20)