44才・153cm/75kg・・・・太めの女性カウンセラー。
もともとは糖尿病のコントロールとともに、不眠、目疲、口渇、肩こりなどの治療を数か月したあと、しばらく治療は休止していた。
昨日急に左の股関節がキーンと痛くなった。左の足が股関節に入り込んだような感じ。
歩けるが、痛いので歩きにくい。ややビッコを引いている。
舌・淡紅津少
脉・緩
最近は7時間眠れている。
このところ忙しい。車に乗っての出張も多い。
左少腹というより鼠径靱帯が固く緊張して、圧痛がある。
熱感や発赤は無い。
風雨にあたったとか、体が冷えたというわけでもない。
伏臥すると、左の志室・痞根・京門・帯脈にかけて緊張と圧痛がある。
以前にも似たような症状の太めの女性を治療したことがある。
結局、大腿と股関節周囲の筋の攣急だった。
経過と所見からこの方の場合も、おそらくそうだろうと考え、
疏通と養血舒筋する。(左痞根と左三陰交)
左痞根接触していると、京門・帯脈にかけて緊張と圧痛が緩んでくる。少し刺入するとさらに緩む。
左三陰交刺入して呼吸に合わせ疏通し、のちに養血。
左鼠径部のコリが緩み、圧痛も減少。
多忙で腎気上攻気味(後頸部と膏肓にコリ)なので、大腸兪で降気もした。
治療後歩いてみると、違和感は九割がた無くなっていた。
明日から週末にかけ県外に出張だという。週明けに、もう一度治療することにして終わった。
予約の日の朝電話、「治療後調子よいので今日はキャンセル」。
ぎっくり腰ならぬ、ぎっくり股関節。
ぎっくり背中もよくある。寝違えも、似たようなものだ。
血不栄、不養筋がもとにあって、何かの拍子になるのだろう。
疏通・養血舒筋で、一二回で収まる。
今回の場合、環跳でも良かったかもしれない。
局所に熱感や発赤があると、なかなか厄介だ。
以前、石灰沈着の例があって、こちらは一週間ほどかかった。
風雨に当たって冷えてなった例では、大腿に灸頭鍼をして、すぐ良くなった。
参考
三陰交-2 ≪一陰三陽≫説の魅力
鍼と呼吸 4-刺入後(置鍼中)の手技と深さ
鍼と呼吸 6-Ⅱ 接触-毫鍼