鍼灸自学自習Ⅰ・四診総論-4 変化を読む |
一、四診による診察の目的
二、診察は治療の一部
三、診察から治療へ
四、理論と経験
五、変化を読む(1) 心構え・記憶と記録六、自然経過と養生
(2) 感覚・データ・判断
(3) 訓練
五、変化を読む
(1) 心構え・記憶と記録
診察するときは、目の前の患者について1.どういう変化をへて今の状況に至ったのかというふうに、
2.何もしなければこれからどうなる可能性があるか
3.治療や養生によってどう変化してゆくか(あるいはしないか)
つねに『変化を読もうとする心構え』が必要である。
次回の診察で、今回に比べどのように変化しているかを知るためには、
「記録」するか「記憶」して、比較検討しなければならない。カルテ=医案はこのためにも、必ず毎回記録する。
鍼灸の場合は、一穴・一鍼ごとの変化を記録する。
(2) 感覚・データ・判断
変化を読む能力は、1.変化をとらえるセンサーの精度(感覚)にかかっている。
2.必要な量と質のデータ
3.感覚データを総合・判断する精度(記憶・比較・分析・総合)
センサーの精度が低いと(あるいは不安定だと)、差異を正確に読み取れないので、比較分析に役立たない。
データ・情報が少なくても十分な分析ができないので、
あてずっぽうの答えしか出てこないか、当たらずとも遠からずといった答えしか出てこない。
逆に大量の良い情報を得ても、
『処理するための訓練』を積んでいないと、消化不良になる。
(3) 訓練
診断から治療に至る「情報処理」の訓練のためには、
まず前段階として1.精度の良い五感情報を、安定して得られることこの二つを、訓練して結びつける。
2.その情報を取捨選択し、整理し単純化する能力
そして「情報処理」自体を1.無意識に繰り返し訓練する。
2.素早く行えて、さらに
3.あとから説明もできるように、