変化の要因チェックリスト-1 |
変化の要因チェックリスト(一)先天
(二)後天
(三)生活環境
(四)社会状況
(五)既往歴と治療歴・服薬歴
参考
鍼灸自学自習Ⅱ・四診準備-4 演算・出力訓練②
変化の要因チェックリスト-1
変化の要因チェックリスト-2
変化の要因チェックリスト-3
(一) 先天
(1) 先天的に弱いと、普通の人には何でもない様な、《わずかな負荷》も大きく影響する。
(2) 先天の問題ありと思われる場合は、①出生時の状況、等を確認する。
②幼少時の既往歴、
③肝腎にかかわる所見、
(3) 祖父母・両親・兄弟など、《家系的・遺伝的な疾病傾向》について問う
(4) 女性の場合、《生理・姙娠・分娩》の状況についてくわしく問う。
(二) 後天生活
(1) 飲食
現代の日本で、飲食のが絡んでいる確率は非常に高い。内容について詳しく問うこと。
回数とリズム
量
食事習慣は、時代とともに変遷する。
しかし一面、世代間で同じような食事習慣が刷り込まれてゆくので、本人とともに家族全体の食習慣も問うこと。家族がそろって食事をしなくなったと言われて、久しいがそのこと自体も問題だ。
①内容1.食事はいえないものと、ご馳走
インスタント、ジャンクフード、ファストフードや、宴会料理のようなご馳走を毎日食べている人が多い。
これだけで病気になる。
2.不自然な食事
ダイエットなどで、不自然な食事内容になっている場合がある。
特に若い女性や中年女性、あるいはダンスや体操の選手など。
3.水分の過剰
水のみ健康法や、「老人は水をたくさん飲むとよい」というTVや雑誌の記事などの影響で、飲みたくもないのに「努めて」多量の水分を摂取して、体調を崩している人をしばしば見かける。
4.冷たいもの(果物も含む)
現代の日本では、運動不足のうえに冷たいものを、一年中食べて飲む。
アイスや冷たいお茶、ビールばかりでなく、刺身、サラダ、果物など、生ものも食べ過ぎは要注意である。
ただでさえ水分を過剰にとりすぎていることが多いので、脾胃を痛め、痰湿がたまりやすい。
特に、梅雨時や台風など、多湿・高温・低気圧の気候は、影響が強く出る。
5.甘味の過剰
菓子類はもちろんのこと、あらゆる加工食品・惣菜に砂糖が入っているし、家庭での使用量も多い。湿痰・湿熱や脾虚を生む。
②食事回数とリズム
乱れると体調に影響が出る。
夕食を遅くとる習慣や、夕食に量を多くとる習慣によって、脾胃を痛め、湿・痰を生じることがある。
③量
普段と同じ量でも、脾胃が弱ると負担になる。
(2) 呼吸
①非常に浅い呼吸
②胸膈中心の呼吸
③一分間に10回以下といった、間延びしたゆっくりした呼吸
④深呼吸しても、お腹まで息が入らない感じ
これらは、気虚・肝鬱・運動不足による宗気不足、などによって起こっていることがある。
(3) 起居
・日常の生活リズムの不規則
・休養の不足
等生活パタンの乱れは、学生や働く世代に多い。
必ず問うこと
(4) 情緒・七情
必ず問うこと。
情志・七情の問題が片付くと一気に諸症状が緩解することがある。
当然、その逆も多い。
急な症状の変化があるときも、問うこと。
(5) 職業
たとえば、スーパーのレジ係や、冷凍庫の中で肉や魚を扱う人が、寒湿痺を患うことがある。
職場の配置転換がきっかけで、症状が変化することがある。
年度替わりや、配転の時期には確認すること。
(6) 運動
現代の日本では、ほとんどの人が運動不足である。
特に公共交通機関が無い田舎ほど、自家用車の使用が多いので歩かない。
また逆に、極端に運動しすぎの人もいる。
(7) 年齢
古典によれば、男は八年、女は七年を節目として体の生理状態が変化していく。患者はその節目に当たっていないか。
(8) 社会的役割
・職場での責任
・地域での役割、役職
・出産と子育て
・厄年、更年期
・老人の介護
など、年齢によって、ああるいは社会的役割の変化とともに、心身状態も変化する。
目の前の患者の『年齢』と共にを意識する。
『どんな社会的役割を担っているか』