左右の問題-1 内経・難経・診病奇侅 |
一、左肝右肺
二、右陽左陰(三十六難、張景岳)
三、『診病奇侅』
一、左肝右肺
『内経』 (刺禁論、刺熱論)や、『難経』十六難、五十六難などでの臓腑配当は、「聖人南面」した状態で、左右を東西に振り分け、左手側が東・木で肝、となっている。
右手側が西・金で肺
左が肝と対応するので「左は血」、
右が肺と対応するので「右は気」、
という気血の左右対応が導かれるらしい。
但し、古代には、「脾木也、肺火也、心土也、、肝金也、腎水也」という、別系統の五臓配当もあった。
(後漢・許慎『五經異義』)
参考・小池盛夫「二つの五藏配当について」(『内経』146号2002)
抜粋・・・小池盛夫「二つの五藏配当について」-1
抜粋・・・小池盛夫「二つの五藏配当について」-2
抜粋・・・小池盛夫「二つの五藏配当について」-3
二、右陽左陰(三十六難、張景岳)
三十六難の「腎両者非皆腎。左者爲腎、右者爲命門。」という説によれば、右は陽、左は陰となる。
張景岳の右帰飲と左帰飲は、この右=陽、という使い方で命名されている。
左=陰
三、『診病奇侅』
『診病奇侅』(医道の日本1996第三版)には、腹や背の左右についていろいろな見方が載っている。
例・・・『診病奇侅』腹両傍(一部句読点を変え、改行した。)
P56痞(右=食積食積乳癖瘧母之類、左=疝積及血塊之類)「痞證
属右者、是食積、或乳癖、瘧母之類、
属左者、是疝積及血塊之類也」(陽山)
P57左は腎虚、右は気鬱「左腹のつかへは第一腎虚疝気と知べし、
右腹は気鬱たること疑いなし」(白竹)
P57左天枢で血の盛虚をみる(南溟)「肝は血を蔵して其部位腹の左に在り、
故に左の天枢にて血の盛虚を候ふなり」(南溟)
P58陽明胃経は「以左爲主」、少陽胆経は「以右爲主」「陽明胃経、按第二肋之端而下者是也。
以左爲主、自左衝逆、及拘攣者爲水飲、
左右拘攣按之不痛者、雖痛反快者、是爲胃気不和、或血虚、
宜建中輩和之。
少陽胆経、按第三肋之端而下者是也。
以右爲主、自右衝逆者、爲悪血、拘攣者属肝鬱。」(臺州)
『診病奇侅』五雲子腹診法
P87背の図(上下左右で交差した反応)食滞=右背の上(心兪督兪膈兪)+(左の下、京門辺も隆腫)
気滞=左背の上(心兪督兪膈兪)+(右の下、京門辺も隆腫)
P89-90腹の図・・・左右の季肋部の比較「右方の筋骨下り、或高くなるは、常に食養生の悪き人と知るべし。
飲食濁氣昇りて痰となり筋骨に粘着して、骨高くなり、清気升らざるゆえに筋骨さがるなり。
此のごとくなれば、背の右の心督膈兪の邊も高くなるなり」
「左肋骨下がり、或高くなるは、氣を労する人と知るべし。
或は軍法等書籍に心力を殫すか、
或は平生謀慮して心力を労するかなどにて、
心肝欝滞する人如此としるべし」殫タン、つきる
問題(肝脾左右)は・・・意識的に弁別説明してこなかったこと
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