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これは臨床メモにあったが、こちら
制度と医療(そして伝統医学)にも追加。
マイケル・ハワードの研究方法を、
医療(医学)史に応用する
2012/03/06
マイケル・ハワード『ヨーロッパ史における戦争』 (中公文庫)2010
の序文に書かれているマイケル・ハワードの戦争研究の方法を、
医療・医学に応用することで、
医学史は
人間と社会の歴史になることができるだろう。
戦争という言葉を、医療・医学に置き換えて読んでみる
序文にはこう書かれている。
第一版への序
「戦争を戦争が行われている環境から引き離して、ゲームの技術のように戦争の技術を研究することは、
戦争それ自体ばかりでなく戦争が行われている社会の理解にとって、不可欠な研究を無視することになります。」
「歴史家は、ハンス・デルブリュック(Hans Delbrück)が述べているように、政治史の枠組みにおいてばかりでなく、経済史・社会史・文化史の枠組みにおいても、戦争を研究しなければなりません。
戦争は人間の経験全体の一部であり、その各部分はお互いに関係づけることによってのみ理解できるのであります。」
戦争という語を、医療(医学)に置き換えるとこうなる。
「医療(医学)を医療(医学)が行われている環境から引き離して、ゲームの技術のように医療(医学)の技術を研究することは、
医療(医学)それ自体ばかりでなく医療(医学)が行われている社会の理解にとって、不可欠な研究を無視することになります。」
「歴史家は、ハンス・デルブリュック(Hans Delbrück)が述べているように、政治史の枠組みにおいてばかりでなく、経済史・社会史・文化史の枠組みにおいても、医療(医学)を研究しなければなりません。
医療(医学)は人間の経験全体の一部であり、その各部分はお互いに関係づけることによってのみ理解できるのであります。」
巻末の石津朋之氏による解説にはこう書かれている。
巻末解説・石津朋之
「キャプテン・プロフェッサー」-マイケル・ハワードと戦争研究
「デリュブリックと同様にハワードは、
戦争と社会の関係性に注目することにより、
戦争研究という領域を
従来の個々の戦闘を分析するだけのものから、
戦争全体を同時代の大きな社会的文脈の下で捉えるよう拡大
した点で高く評価されている。
・・・・・・ハワードは
戦争がいかに進展するのか、
いかに社会構造の発展
戦争の性質に影響を及ぼすのかについて理解しようと努めた。」p272
これも戦争という語を医療(医学)に置き換えて読んでみる。
するとハワードの方法論を応用した新しい医学史の方向性が、
よりはっきり見えてくる。
「医療(医学)と社会の関係性に注目することにより、
医療(医学)研究という領域を
従来の個々の医療臨床技術と理論を分析するだけのものから、
医療(医学)全体を同時代の大きな社会的文脈の下で捉えるよう拡大・・・」
「医療(医学)がいかに進展するのか、
いかに社会構造の発展が
医療(医学)の性質に影響を及ぼすのかについて理解しようと努め・・・」