絡脈の働き |
大昔によく読んだ、日本語版の教科書…。
「中医基礎理論―日本語医学クラス用教科書」
(韓晶岩編著、遼寧教育出版1987)
読み直していたら、以前何度も読んだはずなのに、
頭に入っていなかったことなど
いろいろと面白いものに出くわす。
絡脈の機能の②などは、「そういう見方もあるのか」と感心した。
②経脉を統率し、前・後・側面の統一連系を強める。任脉の絡は、腹部の諸陰経の絡脈を統率する。
督脉の絡は、背部・頭部の諸陽経の絡脈を統率する。
脾の大絡は脇腹部に散布する。
胃の大絡(虚里・平人氣象論)は宗氣の集まる部位で、全身の経気運行に大きな影響を持つ。
以下は、この本から適当に抜粋し、多少補足してまとめたもの(原文のままではない)。
参考・「中医基礎理論―日本語医学クラス用教科書」(韓晶岩編著、遼寧教育出版1987)
《絡脈》
絡脈は経脈から分れた分枝で、細分化して孫絡となり、浮絡は肉眼で見える。
(1) 別絡(十五絡)
正経から分れて、表裏をなす他の経への連絡をなす。(2) 孫絡
任脉、督脉、脾胃から分れて分布する。
十二正経、任脉、督脉の別絡、と脾の大絡で「十五絡」という。
(胃之大絡〔平人氣象論篇第十八〕を入れると十六絡)
大きな経脈から分れた絡脈(別絡)は、次第に脉気が小さくなって枝分かれし、細かな絡脈(孫絡)になって線から面へと拡散してゆく。(3) 浮絡
皮膚の表層に浮き出て、肉眼で観察できるようになった孫絡は「浮絡」と呼ばれる。
【機能】
①十二経の表裏経の関係を強める。
②経脉を統率し、前・後・側面の統一連系を強める。任脉の絡は、腹部の諸陰経の絡脈を統率する。③気血を灌漑し、全身を滋養する。
督脉の絡は、背部・頭部の諸陽経の絡脈を統率する。
脾の大絡は脇腹部に散布する。
胃の大絡(虚里・平人氣象論)は宗氣の集まる部位で、全身の経気運行に大きな影響を持つ。