ゾル-ゲル転換と、虚実 |
アメーバ運動と気の動きという、図と解説が載っている。
*引用者注、昭和49=1974
「増永静人は、気の動きや体のコリは、アメーバの動きと同じであること、即ち、原形質流動に見出し、昭和49年(1954)*このことを「医道の日本」誌に発表した。
「アメーバは、ゾルとゲルとがいつも容易に変化する。アメーバの体だけでなく、われわれの体もそうです。われわれの体もコッて力を入れたりするけれども、またスッとゾルに戻るわけです。ゲルで仕事をした後はすぐゾルに戻る。戻ればいいんですよ、自由に行き来すれば。コッたやつが戻らなくなるから病気になるんです。」―増永静人「経絡指圧講義」より―」
医王会指圧センター
医王会指圧研究所-創始者
(経絡指圧・経絡体操)開設 昭和43年(1968)
増永静人『経絡と指圧』(医道の日本1983)に、彼の論考がまとめられている。
『経絡と指圧』は1993年版を持っているので、約二十年前に一度読んでいるのだが、
今読み直しても素晴らしい。
p59(昭和49年8~11月)の論考で、
ゾルとゲルについて最初に触れられている。
植物の原形質流動と、ゾル-ゲル転換について触れ、
動物においても「原始的な原形質の連絡は基本的に残されている。」と述べている。
p98(昭和52〔1977〕年10~12月と昭和53年4~8月)の論考にも、経絡の虚実を説明する理論として、詳しく述べている。
p44やp50の切診と触診の違いの図なども、手技療法ならではの説明だ。
鍼を刺さずに、
触れただけで背中などのコリがフワーと緩む場合(気滞が一瞬で取れる場合)は、
このゾル-ゲル転換のたとえが、よくあてはまると思う。
指圧療法の理論の確立につとめた増永静人