現代中医学の功績と問題点・・・鍼灸概論・第一講内容抜粋 |
内容は「三因制宜と 扶正袪邪・・・・西医には無い治療戦略」と同じ
《参考》現代中医学の功績と問題点
現代中医学の功績は、基礎理論の教科書に凝縮されている。
現代中医学が生まれた1950-60年代は、それまでの《多様な中国医学の流派や学派》を一つの体系にまとめた時代(明代がそうだったように)と言える。
基礎理論の中でも後半に出てくる、「病因・病機」と「予防・治療原則」が最も重要で、宋以後清代までの成果を集大成している。
特に治療利原則のなかでも、「三因制宜」と「扶正袪邪」は近代医学にない治療戦略であり、
現代の医療世界にもっと強調して主張すべき内容だと思う。
ただ、治療学や病機学において現代中医学には特筆すべき進展はない。
さらに近年、世界進出にむけてマニュアル化が進んでいる。
宋・金時代や清代の温病学のような新たな展開は、
今の大学制度と病院制度の下では、はたして再び現れるだろうかと危惧される。