日本・・・理論体系の簡略化と「技」に凝る傾向 |
(三) 診断
何が
どこで
なぜ
どうなっているか・・・・をまとめること。
「いつ」という 時間要因 (季節・朝昼夕夜など) も加味される。
(注)
日本では、
診断における「病因病機分析」と「弁証」が省略されて
(あるいは十分な病機分析や弁証なしに)、
「病名」と「症状」と腹や脉などの「四診情報の一部」のみによって、
いきなり「処方(既成の方剤)」や「配穴(経穴の組み合わせ)」が導き出される傾向が強い。
つまり「診察-理-法-方-薬(穴-術)」という一連の過程から、
「理」と「法」が抜け落ちて、
「方-薬(穴-術)」に凝る傾向がある。
技術に凝るわけで、医学ではなく医術に傾く。
しかし「病因病機分析」なしでは
①予後の予想ができないし
②予防養生が指導もできない。
「弁証」なしでは
①治療効果の分析や
②治療の加減が十分にできない。
「理-法」なしの「方」のみでは、
①試行錯誤や勘に頼ることになりやすく、
②手持ちのカード(処方)を切り終われば後はお手上げ
になることが多い。
「理-法」を知れば既成処方に適当なものが無くても、
その「理-法」に対応した「方」 (薬物処方や配穴手技)を
新たに作り出すことができる。
(2013/8/9補足
この辺りは、日本の学ぶべきところではないかと思う。
日本は、技に関してはたくさん独自の素晴らしいものを開発している。
これは間違いない。)
参考・山田慶児「反科学としての古方派医学」
(『思想』2006年5月号岩波書店)