探せなくて困ったので「温胆湯」というそのまんまのカテゴリを作成 |
2013年 02月 26日
カテゴリ整理中・・・基礎理論にも追加。
少し古いものですが、『臓腑病機の歴史』とも関係するのでアップします。
参考
古い病理観・・・「臓熱・腑寒」(冊繁方)と、「臓寒・腑熱」(難経)
古い虚実分類・・・実熱と虚冷『済生方』
06-3/30版
三因方・温胆湯の「温」について
要旨
温胆湯には、『備急千金要方』(652)と、『三因極一病症方論』(陳言・成書1174)のものがあり、後代には様々な加減温胆湯が作られている。
千金の温胆湯は、南北朝時代(420~589)の姚僧垣『集験方』(580)からの引用らしい。
三因方には、以下のそれぞれに対応した内容の異なる、ふたつの温胆湯がある。
1 心胆虚怯(十巻)
2 胆虚寒(八巻)
①千金温胆湯は二陳湯から、半夏を減らし(四両⇒二両)、茯苓を除き、竹茹・枳実を加え、生姜を増量(七片⇒四両)した構成である。
(末尾に二陳湯・千金温胆湯の処方資料あり。『方剤学(上海)』では生姜七片=3g)
②驚悸(心胆虚怯)にかかわる温胆湯は、『三因極一病症方論(1174)』巻十・驚悸証治に載っている。
心胆虚怯の温胆湯(巻十・驚悸)は、千金温胆湯に茯苓・大棗を加えている。
③三因方巻九・虚煩門には、大病後の虚煩・不眠を胆寒として、巻十・驚悸証治(心胆虚怯)と同じ内容の温胆湯が載っている。
④三因方巻八・肝胆経虚実寒熱証治に載っている肝と胆の実熱・虚寒に対応した四つの処方のうち、胆虚寒に対応するのが温胆湯である。
胆虚寒の温胆湯(巻八)は、心胆虚怯の温胆湯(巻十・驚悸)に麦門冬・酸棗仁・遠志・桂心・黄芩・萆解・人参を加え、竹茹.枳実を去ったもので、補寫兼施しているといえる。
⑤オリジナル温胆湯の「温」は、古くは府虚に対する補という意味で用いられていると思われる。
しかし三因方の時代には、処方内容も加減され、病理観と分類原理も変わってきたため、処方内容に対する、名前及び分類原理それぞれの間に矛盾生まれてしまった。
⑥実際の処方、特に胆虚寒に対応する巻八・肝胆経虚実寒熱証治の温胆湯は、扶正と去邪の両方に対応している。
本論
1三因方・驚悸(心胆虚怯)と虚煩(胆寒)の温胆湯
(1)巻十驚悸証治には、心胆虚怯に対する処方として、温胆湯が載っている。
(この巻十・驚悸の温胆湯は千金温胆湯に、茯苓・大棗を加えたものだ。
処方構成は千金・温胆湯にほぼ同じ。)
巻十・驚悸証治の温胆湯・・・・(『三因極一病症方論』人民衛生1983以下同)
『治心胆虚怯。触事易驚、或夢寝不祥、或異象惑。
遂致心胆虚怯、気鬱生涎。涎与気搏,変生諸証。
或短気悸乏,或復自汗,四支浮腫,飲食無味,坐臥不安。
半夏・竹茹・枳実・各2両、 橘皮3両・甘草炙1両、白茯苓1両半・右爲剉散、毎服四銭、水一盞半、
姜5片・棗1固、 煎七分、去滓、食前服』
懾(しょう)おそれる・怖気づく
(2)巻九虚煩門にも巻十驚悸とおなじ内容の温胆湯が、胆寒に対応する処方として紹介されている。
巻九・虚煩門の温胆湯『温胆湯 治大病後、虚煩不得眠.此胆寒故也。
此藥主之。又治驚悸。
半夏、竹茹、枳実 各2両、 陳皮3両、甘草炙1両、 茯苓1両半・右爲剉散、毎服四銭、水一盞半、
姜5片・棗1枚煎七分、去滓、食前服』
2三因方・胆虚寒の温胆湯
(1)三因方巻八・肝胆経虚実寒熱証治には以下のように、四つの処方があるが、その内の胆虚寒に対する処方が温胆湯である。
巻八・胆虚寒の温胆湯は、巻十驚悸・温胆湯に、麦門冬・酸棗仁・遠志・桂心・黄芩・萆解・人参を加え、竹茹.枳実を去ったものである。
巻八・肝胆経虚実寒熱証治の温胆湯
『治胆虚寒、眩厥足萎、指不能揺、躄不能起、僵僕、目黄、失精、虚労煩擾、因驚胆懾、奔気在胸、喘懣、浮腫、不睡。
半夏、麦門冬各1両半、 茯苓2両、 酸棗仁3両、
炙甘草、桂心、遠志、黄芩、萆解、人参各1両
右爲剉散、毎服四大銭、用長流水一斗、じゅ米煮、如瀉胆湯』
(2)参考として、肝胆経虚実寒熱証治につづく『三因極一病症方論』の心小腸・脾胃・肺大腸・腎膀胱・心主三焦の各経の処方をまとめて示す。
1肝胆経虚実寒熱証治
実熱 虚寒
1瀉肝湯・・・・・・・肝実熱 3補肝湯・・・・・・・肝虚寒
2瀉胆湯・・・・・・・胆実熱 4温胆湯・・・・・・・胆虚寒
最後に「一方見虚煩門」とある。
2心小腸経虚実寒熱証治(五処方)
実熱 虚寒
1瀉心湯・・・・・・・心実熱 3茯苓補心湯・・・・・心虚寒病
2清脉湯・・・・・・・小腸実熱 4温脾湯・・・・・・・・・小腸虚寒
その他・分気補心湯・・・・心気鬱結
3脾胃経虚実寒熱証治
実熱 虚寒
1清脾湯・・・・・・・・脾湿熱病 3補脾湯・・・・・・・・脾虚寒病
2平胃散・・・・・・・・胃実熱 4養胃湯・・・・・・・・胃虚寒
4肺大腸経虚実寒熱証治
実熱 虚寒
1清肺湯・・・・・・・・肺実熱 3補肺湯・・・・・・・・肺寒虚
2瀉白湯・・・・・・・・大腸実熱 4固腸湯・・・・・・・・大腸虚寒
5腎膀胱経虚実寒熱証治
実熱 虚寒
1清源湯・・・・・・・・腎実熱 3温腎散・・・・・・・・腎虚寒
2瀉脬湯・・・・・・・膀胱実熱(脬=ほう) 4補脬湯・・・・・・・・膀胱虚冷
6心主三焦経虚実寒熱証治
実熱 虚寒
1清膻湯・・・・・・・・右腎実熱 3益志湯・・・・・・・・右腎虚寒
2潤焦湯・・・・・・・・三焦実熱 4安中散・・・・・・・三焦虚寒
3虚寒(虚冷)に対する処方に使われた「温」
(1)分類法について
以上を見てわかるように、三因方における十二経または臓腑(注1)の寒熱・虚実の分類は、実熱と虚寒(虚冷)という組み合わせのみである。
(例外・脾には湿熱がある。)
また、三因方巻八の五労証治には、五臓が傷られた場合の処方が載っているが、ここでも五臓の勞が、実熱と虚寒のみで分類されている。
(注1)・〇〇経証治とトタイトルされているので経のようにも思えるが、本文には経の文字は一回しか使われておらず、経なのか臓腑なのかあいまいである。千金の場合は、胆実熱の条文に「左手關上脈陽実者、足少陽胆経也。・・・・治胆府実熱・・」とあるので経という言葉で、藏府も表していたのかもしれない。あるいは手の脉で経と藏府と両方を診断していたのか・・・。末尾千金の条文参照のこと。
(2)千金から三因方まで
この時代までの臓腑の虚実分類をみてみると、別添資料「臓腑の虚実と、その補寫論の歴史概説」のようになる。
①千金では虚実寒熱に関しては、やはり実熱と虚寒の組合せしかない。
②又聖恵方では実則生熱=肝気実、虚則生寒=肝虚、肝臓虚損気血不栄内傷寒冷=肝気不足となっていて、これもほぼ実熱・虚寒の組合せに近い。
③千金(652)から聖恵方(992)までの時代は、この実熱・虚寒という組合せの分類方法が、支配的だったようだ。
現在のような虚熱・寒実は無い。
そして虚といえば機械的に虚寒となり,実といえば同じく実熱となってしまうような分類法である。
(3) 温胆湯が作られた時代と「温」の意味
小金井信宏氏によれば、温胆湯は南北朝時代(420~589)の『集験方』から、千金に引用されていおり、温胆湯が作られた時代には「藏熱府寒」という病理観・弁証法があって「藏の病は熱、府の病は寒」という発想からつけられた方剤名だという。(中医臨床88号)
したがって、古くは温胆湯の「温」は古い病理観に基づいて、府病=寒に対する補という意味で用いられているのかも知れない。(『集験方』を見ていないので不明)
(4) 処方内容と処方名・分類原理が、矛盾
しかし三因方では、南北朝の古い処方を、唐・宋の新しい(おそらく南北朝と違う)分類法によって分類している。
そして処方名はそのままで、内容は加減して使っている。
しかもその分類法自体も、三因方当時の処方内容を表すには不十分なのだ。
それで
1処方内容と処方名
2処方内容と分類原理
それぞれが、矛盾してしまっているのではないだろうか。
古い分類(姚僧垣『集験方』(580))でも、やはり胆寒と呼ばれいたのだろうか。
手元に資料がないので不明である。(2012/11/6この項を補正した)
(5)実際の処方内容
しかし、実際の処方内容(三因方温胆湯)は補寫兼施であり、扶正・去邪の両方を行っている。
三因方巻十驚悸証治では、「心驚胆懾、気鬱生涎。涎与気搏,変生諸証。」と病機を分析しており、処方も清熱と化痰に重点がある。
とくに巻八・胆虚寒の温胆湯は、巻十驚悸・温胆湯に、麦門冬・酸棗仁・遠志・桂心・黄芩・萆解・人参を加え竹茹.枳実を去ったものであり、よりはっきりと補寫兼施であることが分かる
(6)小腸虚寒の温脾湯
温と言いながら補寫兼施であることは,巻八・心小腸経虚実寒熱証治にある小腸虚寒の温脾湯にもいえる。
温脾湯(巻八・心小腸経虚実寒熱証治)
『治小腸虚寒、苦頭偏痛、耳頬疼。
下痢赤白、腸滑、腹中疓痛、裏急、後重 姜1、 当帰、黄檗、地愈、各2、 阿膠、茴香、石榴皮、黄連、各1』
温脾湯の処方内容も、黄檗、地愈、各2両、黄連、各1両と、苦寒藥が使われていることから、小腸虚寒といいながら実は、虚実寒熱挾雑に対する処方であると考えられる。
実際にやっていることは、暖めることではなく、邪を取り去り正気を補うことである。
なお、小腸の虚寒(火虚)の方剤名が温脾(補脾、補土)なのは、巻八・内思所因論で
「若其子母相感、則母虚能令子虚、子実能令母実。
経曰、実則瀉母、虚則補子。如百姓足、君孰与不足。
此経之本義也。
難経則反是。
・・・・・千金亦云、肝虚当補心、心旺則感於肝。」
とあるので、「母虚(小腸・火)は、補子(脾・土)する」という考え方(注2)に基づいて、小腸府の虚に対し、子である脾を補うという意味での温脾湯の「温」なのだろう。
(注2)この補子法は、謝士泰『刪繁方』(652)の勞則補子法に基づくもので、千金や普済本事方(許叔微1079~1154)などにも、虚損の治療法則として採用されているという。(「中医学術史」上海p197参照)
(7) 虚火を補う治法
別添資料「臓腑の虚実と、その補寫論の歴史概説」にある、張元素『臓腑標本寒熱虚実藥式(1186)』の「胆病用藥」における記述では,温胆は虚火を補う治法とされている。
胆病用藥
実火瀉之・・・・瀉胆:竜胆草、牛胆、猪膽、等
虚火補之・・・・温胆:人参、細辛、半夏、蕤仁、酸棗仁、当帰、等
また末尾付録資料④の医方集解には次のようにある。
「胆以温爲候、虚則寒、寒則不眠。
驚悸亦於胆虚。
虚火上溢故口苦。嘔吐多属半表半裏少陽胆経之邪。
胆虚気鬱、致脾生痰涎而煩嘔。」
4 最後に
『千金から聖恵方までの時代は、この実熱・虚寒という組合せの分類方法が、支配的だったようだ。現在のような虚熱・寒実は無い。そして虚といえば機械的に虚寒となり,実といえば同じく実熱となってしまうような分類法である。』と書いた。
実は「陰虚生内熱」という語が、虚煩証治(三因方巻九・ここに温胆湯もある)や、脹満証治(巻十一)にある。
虚煩証治(三因方巻九)
虚煩者、方論中謂所心虚煩悶、是也。
大抵陰虚生内熱、陽盛生外熱、外熱曰燥、内熱曰煩。
此不分而分也。
傷寒大病不復常、霍乱吐瀉之後、皆使人虚煩悶。
婦人産褥、多有此病。
其証、内煩身不覚熱、頭目昏痛、
口干咽燥不渇、淸淸不寐、皆虚煩也。
方例有虚煩近傷寒之説。不可不弁。
又平人自汗小便頻併、遺泄白濁、皆憂煩過度之所致。
傷寒属外因、憂煩属内因、霍乱兼不内外因。
学者当弁析而調治。
淡竹茹湯・・・治心虚煩悶、頭疼、短気、内熱不解・・・
温胆湯・・・治大病後虚煩不得眠。此胆寒故也・・・
酸棗仁湯・・・治霍乱。吐下増劇・・・
胸滿証治(三因方巻十一)
七物厚朴湯
治腹満発熱、以陽并陰、則陽実而陰虚、陽盛生外熱、陰虚生内熱、
脈必浮数、浮則爲虚、数則爲熱、陰虚不能宣導、飲食如故、致脹満者爲熱脹。
厚朴一両、 炙甘草、大黄各3銭3字、 枳実半両、 桂心一分、
右爲剉散、毎服四大銭、水盞半、姜七片、棗三個、煎七分去滓食前服
しかし朱丹溪以後の「陰虚」による虚熱、という概念と同じかどうかは確かではない。
参考文献
『備急千金要方』遼寧科学技術出版1997
『三因極一病症方論』人民衛生1983
中医臨床88号 (2002,3月号)
『中医学術史』上海中医学院出版1989
『臓腑標本虚実用藥式』張元素・中医古籍出版1994
『医方集解』(1682清・汪昂)中国中医薬1997
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《付録・参考資料》
①二陳湯(和剤局方)・・・・・・・・『方剤学』上海中医学院出版1990より
<組成> 半夏・橘紅・各四両、 白茯苓三両 、甘草(炙)一両半
<製剤・用法>ふ咀、毎服四銭、用水一盞、 生姜七片、 烏梅一個、同煎六分、去滓熱服、不拘時候、(生姜七片=3g)
②千金の胆虚寒と胆実熱・・・・・・・温胆湯と半夏千里流水湯
(『千金方』巻十二胆府・胆虚実第二) 遼寧科学技術出版より
「胆虚寒
左手關上脈陽虚者、足少陽胆経也。病苦眩厥痿、足趾不能揺、躄不能起、僵仆、目黄失精〇〇名曰胆虚寒也。
治大病後、虚煩不得眠、此胆虚寒故也。宜服温胆湯方
半夏、竹茹、枳実、各2両、 橘皮3両、 生姜4両, 甘草1両
上六味、ふ咀、以水八升、煮取二升、分三服
胆虚、灸三陰交各二十壮。穴在内踝上一夫」〇=目+亡+川
「胆実熱
左手關上脈陽実者、足少陽胆経也。病苦腹中気懣、飲食不下、咽干頭痛、洒洒悪寒、脇痛、名曰胆実熱
治胆府実熱、精神不守、瀉熱、半夏千里流水湯方
半夏、宿姜、各3両、 生地黄5両、 酸棗仁5合、
黄芩1両、 遠志、茯苓、各2両、 米一升
上八味ふ咀、以長流水五斗煮秫米、令蟹目怫、揚之三千遍、清澄、取九升煮薬、取三升半、分三服。
胸中胆病、灸濁浴随年壮、穴在挟胆兪傍行相去五寸」
胆実熱の処方半夏千里流水湯方の後には細字で次のように、姚僧垣《集験方》からの引用らしいことが記されている。
《集験方》治虚煩不得眠、無地黄、遠志。有麦門冬、桂心各2両、甘草人参各2両。
胆虚寒の温胆湯に関しては、細字注はないが、『医方集解』(1682清・汪昂)には、巻上之六・和解之剤・温胆湯の項で方剤名の後に《集験》と、出典が記されている。
③方剤内容比較
二陳湯
半夏・橘紅・各4両、 白茯苓3両、 甘草(炙)1両半、生姜7片(3g)、烏梅1個、
千金温胆湯
半夏、竹茹、枳実、各2両、 橘皮3両、 生姜4両, 甘草1両
三因方・巻十・驚悸証治の温胆湯
半夏・竹茹・枳実・各2両、 橘皮3両・ 甘草炙1両、 白茯苓1両半
姜5片・棗1固、
三因方・巻八・胆虚寒の温胆湯
半夏・麦門冬・各1両半、 茯苓2両、 酸棗仁3両、 炙甘草、桂心、遠志、黄芩、萆解、人参各1両、・・じゅ米煮、如瀉胆湯
④医方集解の解釈
『医方集解』(1682清・汪昂)巻上之六目和解之剤の温胆湯方解には、興味ある解釈が載っているので抄録する。
(太字は本文。細字は注。)
治胆虚痰熱不眠、虚煩驚悸、口苦嘔涎。
胆以温爲候、虚則寒、寒則不眠。驚悸亦於胆虚。虚火上溢故口苦。
嘔吐多属半表半裏少陽胆経之邪。胆虚気鬱、致脾生痰涎而煩嘔。
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此足少陽、陽明薬也。橘半生姜之辛温、以之導痰止嘔、即以之温胆。
痰在胆経、神不帰舎、亦令人不寐
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清肺金之燥、涼肺金則所以平甲木。
胆爲甲木、金能平木。
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内経半夏湯治痰盛不眠。・・・略・・・半夏除痰而利小便、じゅ米益陰利大腸、使上下通則陰陽和矣。
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経曰、臥則血帰于肝。
昴按、本草云、棗仁炒用治胆虚不眠、生用治胆熱好眠。
窃謂胆熱必有心煩口苦之証、何以反好眠乎。
温胆湯治不眠、用二陳加竹茹、枳実、二味皆涼藥、乃以涼肺経之熱。
非以温胆経之寒也。其温胆名湯者、以胆欲不寒不燥常温為候耳。
胆熱好眠、不能無疑。
以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは06-3/30版です。
03/3/28版の3の(4)~(6)は誤りを直し、すこし書き換えた。
要旨等の胆虚寒(八巻)の処方説明に、加・麦門冬、去・竹茹.枳実が抜けていたので訂正。
同じく十巻驚悸・温胆湯は千金に茯苓・大棗を加える・・・に訂正。
千金と三因方の、引用原文の省略部分を補充した。
最後に、方剤比較を入れた。
・・・・・・などなど何回か見直してまちがいを訂正したり、追加をした。
急いで作ったのでまだミスがあるかもしれない。
まちがい見つけたかたは、教えてください。