フレクスナーとはだれか・その3長尾 周格説 |
世界初の“発ガン物質”
長尾 周格
https://www.facebook.com/shukaku.nagao
2014/1/19
今日では様々な物質が発ガン性を持つことが知られています。しかし発ガン性を持つ物質として世界で初めて研究で証明された物質というのは、コールタールです。そしてこの発見をした人物というのは日本人であり、名を「山極勝三郎」といいます。
山極勝三郎は1915年に、ウサギの耳にコールタールを塗り続けることでガンができることを発見しました。これは間違いなくノーベル賞級の大発見でしたが、当時の医学界にあえなく潰されてしまいました。
というのも1910年にアメリカのエイブラハム・フレクスナーが出したレポート「アメリカとカナダの医療教育」、通称「フレクスナー・レポート」の存在があったからです。
フレクスナー・レポートとは、一言でいえば「コールタール医療の提唱」です。すなわち石油の副産物であるコールタールから、医薬品を作って治療を行うというものでした。西洋医学の根本をなすこの思想の元である、コールタールに発ガン性があるというのは、いかにもまずい事だったのです。
コールタールは元々は石炭の火力を向上させるためにコークスを作る際、副生成物として得られるものでした。コールタールは放香族化合物を多量に含み、様々な化学合成品の元となる物質でした。コールタールは化学産業の礎を築きましたが、その最初の化学合成品は、合成染料でした。
昔から染料は非常に高価な物であり、特にインディゴ(青藍)は非常に貴重で高価な染料として知られていました。
そのインディゴをコールタールから合成することに成功したのが、ドイツのBASFです。
BASFはその後、フリッツ・ハーバーのアンモニア合成のアイデアを、BASFの技術者であったカール・ボッシュが工業化し、大量生産することに成功しました。
これが化学肥料の始まりです。
その後BASFはナチスによって当時の世界最大手の製薬会社であるバイエルなどと合併し、IGファルベンという、巨大な軍産複合体となりました。IGファルベンは第二次世界大戦中、「チクロンB」という毒ガス兵器を作り出しました。この化学兵器の技術は第二次世界大戦後、アメリカのフォート・デトリックへ流れ、後の抗ガン剤の元となったのです。
話はそれましたが、コールタールから作られる色素である「タール色素」は、現在でも使われています。
そう、食品添加物としての合成色素ですね。
今日我々は、世界最初の発ガン物質であるコールタールをタール色素という形で食品から摂取し、そしてガンになったらまたコールタールから作られた抗ガン剤で治療するという、もはやギャグのような世界で生きているのです。
西洋医学と石油産業
長尾 周格
https://www.facebook.com/shukaku.nagao
2014/1/20
昨日フレクスナー・レポートの記事を上げましたが、このレポートが何を意味するのか、いまいちピンと来なかった人も多かったのではないでしょうか。
このフレクスナー・レポートはコールタールから医薬品を作ることを推奨するために作られたものです。
コールタールは石油の副生成物ですから、要は石油から医薬品を作るということです。1910年当時、石油産業を牛耳っていたのはロックフェラー一族でしたから、フレクスナー・レポートというのは、ロックフェラーの医療支配のために作成されたレポートでした。
そして現在、医薬品は石油から作られており、まさにロックフェラーの支配下にあります。
ジョン・D・ロックフェラーはアメリカでスタンダード・オイルを創業し、石油メジャーとして成功しました。
しかし20世紀初頭の医薬品業界で世界のトップを走っていたのは、ドイツでした。
ドイツの製薬会社バイエルは、1898年にケシからヘロインを精製し、販売しました。
また1899年にはヤナギから採れるサリチル酸からアスピリンを製造、販売し、世界トップの製薬会社となっていました。しかしこれらは、天然の植物から精製された医薬品でした。
石油から医薬品を作る技術は、世界最高の医薬品精製技術を持つバイエルと、世界最高の化学工業会社であったBASFがIGファルベンとして結び付くことで、飛躍的に進化しました。
石油から染料を作り出す技術と医薬品開発技術が合わさって、1932年に世界初の合成抗菌薬(抗生物質)である、プロントジルが開発されたのです。
ロックフェラーは1901年にロックフェラー医学研究所を設立、自ら研究開発を行う傍ら、第二次世界大戦前からバイエルやBASF、後のIGファルベンに多大な投資を行っていました。第二次世界大戦後はその特許技術や化学者、技術者をそっくり手に入れ、現在に至るまで強固な医療支配体制を敷いているのです。
皆さんが医者から処方され、ありがたがって飲んでいるその薬は、石油(コールタール)から作られた薬です。そうして薬を飲むほどに、どんどん毒に侵されて、さらなる病気になっていく、それが現在の西洋医学の正体なのです。
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