1970年代の高校教育・・・面白かった、そして先生はエライ |
自分の受けた1970年代前半の高校教育は、
実にすばらしかったと、今更ながら思う。
一応進学校だったけれど、けっこうアバウトだった。
生物の先生は、教科書にない当時の最先端のトピック(デオキシリボ核酸など遺伝子の話)をしょつちゅう語っていた。ヌクレオチドがどうとか・・・聞いてるほうはチンプンカンプンだけど、ああ、新しい生物学の世界が進展しているんだ・・・ということは分かった。。
大学に入ってからの教養での物理などは、まったく拍子抜けだった。
(これは高校の教育とは関係ないか・・・。大学の問題だ。)
倫理社会の先生は、ゼブラゾーンやニーチェや実存について真面目に高校生に語っていた。この先生のおかげで哲学に興味を持った。
古文の先生はシュールな現代詩を書く人で、
「諸君、生のオレンジジュースと、インスタントジュースの違いを知れ!!」
と熱く檄を飛ばしていた。(声も大きかった)
本物を知れ・・・というメッセージは、苦手の古文の授業中に受け取った。
地理の先生に至っては、
授業の半分は、世界の古代文明やUFOや、
いまだ解明されない不思議現象の話だった。
解らないことは無視せずに興味を持ち続けたまえ・・・という感じで、
実に楽しそうに語っていた。
「教科書は自分で読んでおきなさい、試験はそこから出します。」なので半分は自学自習だった。
生徒もそれをよしとして、興味を持って楽しんで授業を聞いていた。
学ぶべきものは教えてもらうものではないと、無意識に思っていたのかもしれない。
よく考えると授業では、退屈しなかった。
内田樹ではないが、確かに先生は、エライ。