石油と医療・・・京極 真「医療における構造構成主義研究の現状と今後」 |
FBタイムラインの、「Facebookでシェアした3年前の投稿を振り返ってみよう」というところに表示されていたが、FB上でうまくシェアできなかったので、こちらにメモしておく。
2014年12月12日
ここ20年ほどの間で、現代医学と石油・化学工業との関連に触れた論説は、いくつあっただろうか。以下の京極氏の論説は、その数少ない例だ。
【京極 真「医療における構造構成主義研究の現状と今後」
『構造構成主義研究3「なぜいま医療でメタ理論なのか」』(北大路書房2009)P106
“「石油と医療」を結びつけることに違和感を持つ読者は少なくないと思われるが、レントゲン、カテーテル、聴診器、照明器具、医薬品など、現代医療を支える道具のほとんどが石油製品である〔64〕。
つまり、現代医療は、石油抜きにして提供することはできないのだ。石油のピークアウトが生じると、石油価格が恒常的に、そして異常に高騰することは避けられない。
そうなれば、石油製品に支えられた医療にかかわる費用も異常に高騰し、多くの患者が医療を受けられなくなるか、石油が供給されなくなってしまえば現行の医療を維持することは決定的に不可能な状況に陥る。”
〔64〕Strhan,D.2007 The last oil shock. John Murrat Publishing Ltd.高橋裕子(訳)2008 地球最後のオイルショック】