陰虚・・・・内容・発生機序と種類 |
図-「陰虚の推移と段階」・・・陰気と陰気不足と相互に参照のこと
陰虚・・・・内容・発生機序と種類
現代の定義では、陰分の不足と虚熱が併存する状態を《陰虚》と呼んでいる。
Ⅰ、不足する陰分の内容は、大きく
(一)津液不足(比較的短時間で増減する)と
(二)精血(増減には時間がかかる)の不足に分けられる。血虚も虚熱を生じる。
血虚発熱が長期化すると《陰虚》となる。
Ⅱ、陰虚の発生機序は様々であるが、主は
(一)陰液精血(先天精・後天精・血)の消耗・不足と
(二)熱(虚熱・実熱)による煎熬の二方面であり、
(三)誤治もまた原因になる。
Ⅲ、種類・・・・・
一、不足・・・津液と精血(肝腎、脾胃、心肝)
二、煎熬・・・外感と内傷
三、誤治
一、不足による分類(いずれも虚熱を生じる)(一)津液不足
体液の亡失による津液不足
病症としての嘔吐・下利・発汗など一時的なものが多い
肺、脾胃が多い・・・・・・参考『小児薬証直訣』など
長期にわたれば虚熱による煎熬にいたる
(二)精血の不足(増減には時間がかかる)
至る道三つ、
肝腎(先天)、脾胃(後天)、心肝(血)①房事や過労による精血(先天)の消耗
(肝腎の不足由来)
②脾胃不足による後天の精不足
(脾胃の不足由来)
③思慮過度・肝鬱血虚などによる
心肝の血虚から進展
(心肝血虚由来)
総じて陰分不足による虚熱が、さらに陰分を煎熬して悪循環を生じる。
二、熱による、血や津液の煎熬・・・(外感と内傷の両方)
(一)熱邪・燥邪・湿熱など・・・・外邪
(二)鬱熱・・・・・・・・・・・・・・・・気滞の長期化⇒鬱熱火化
(三)心火、肝火、痰熱・・・・・・内生邪の長期化や停滞
(四)食餌の偏り・・・・・・・・・・・辛・温の過多・食滞・など
三、誤治(温・清・汗・吐・下)