周学海の気血精神論-5 気之失其道而相干 |
『読医随筆』(1891)・巻一証治総論(中医藥出版1997)
四、気・精・神・・・三者の関係-4
気・精・神は(一)不可相離の関係にある。
(二)不可相勝
(三)不可相干
(3) 不可相干・・・・気之失其道而相干
干・さからう、おかす、むりじいする。
気が乱れて「衛が営を滞らせる」と水腫となる。
気が乱れて「隙」にある場合は、泄するところがある。(汗や出血)
気が乱れて「大経之中」にある場合は、泄することができない。気の向く方向(向外と向内)と、
停滞する部位(気之細絡と血之細絡)によって
症状が違ってくる。
気の過不足(盈虧)が神に影響を及ぼすと、
推行不利によって神昏譫妄する。
【内容整理】
はたして、以下の内容分類が正しく内容を反映しているかどうか、
怪しいところもあるが、とりあえず分けてみた。
原文は最後にあり。
①気行之乱、大卒衛強営弱・・・・衛之爲営所滞(水腫)
②気在于隙・・・・・・・・・・・・有所泄乱之于在表・・・肌腠之隙
乱在裏・・・血絡之隙(先泄肺者、是急泄衛気)
③気乱于大経之中・・・・・・无所泄機向外而无所泄・・・壅盛四肢・怒狂
機向内而无所泄・・・壅窒臓腑・昏厥顛倒
気并于気之細絡・・・脹悶
気滞于血之細絡・・・痒疹
営竭道渋・・・・・・・・・不瞑
営盛膚湿・・・・・・・・・多臥
④因気之盈虧、而神爲之累・・・・総由推行不利温病逆伝心包、則神昏譫妄、此津傷而機不利、清気不生
津液相成、神乃自生
神借津以養
【原文】
『読医随筆』(1891)・巻一証治総論(中医藥出版1997)
p13-14
「気行之乱、大卒衛強営弱、営爲衛擾而不得寧、
而衛之爲営所滞者、則惟水腫一端而已。
衛気之竄入営道、乱之于在表肌腠之隙、
則令人汗出而不可止、所謂衛気不共営気和諧也。(細字注:風鼓其衛、不能自固、津随気行、而亦外越。)乱在裏血絡之隙、則令人血涌傾盈盤而不可御。(細字注:葉香岩治涌血、必先泄肺者、是急泄衛気也、然不如泄肝以尤切。
或寒束其脉、血无所容;
或痰壅其脉、血不能行;
或火鼓其気、血爲之奔逸而外溢。
下文泄肺、肝、是治火盛。
若痰壅、則宜兼温疏;
若寒束、更重用温散矣。
世医概用清降、以致成労而死。
『内経』示従容曰:脉急者血泄、血无所行也。
此理甚明、恨无知者。)
二者皆気在于隙、故皆有所泄也。
若気乱于大経之中、
其機向外、而无所泄也、
則壅盛于四肢、而逾垣上屋之事見矣。
所謂巨陽、少陽、其動大疾、病爲怒狂也。
其機向内而无所泄也、
則壅窒于臓腑、而昏厥顛倒之事見矣。
更有気并于気之細絡、而脹悶不堪、致生嚙自刃之変者;
又有気滞于血之細絡、而衛気内伐、則成爲痒、爲疹之灾者。
至于営竭道渋、而易内伐、則不瞑;
営盛膚湿、而衛気久留、則多臥。(細字注:
『内経』謂胃不和則臥不安。
『中蔵経』謂胆熱則多睡、胆冷則无眠。)
温病逆伝心包、則神昏譫妄、此津傷而機不利、清気不生也。
経曰:津液相成、神乃自生。
神借津以養也。
是又因気之盈虧、而神爲之累矣。
盈虧雖殊、総由推行不利而已矣。
此気之失其道而相干者也。」尤もっとも、はなはだ、いちぱんすぐれた、ただし、とがめる、うらむ
竄サン・ザン、かくれる、にげる、ひそかに
逾こえる、すぎる、ますます、わたる
灾サイ災