症例・喘息-2概要② |
Ⅱ症例
概要Ⅲ考察
1患者
2現病歴
4生活歴・環境など
5四診
6診断
7治療と経過>
Ⅳ参考文献・摘禄
注
付録・・・①カルテコピー ②時系列表 ③喘証症例の病機
Ⅱ症例
概要-2
詳しい四診情報と診断の前に、
まず治療経過を発作期と緩解期に分けて、ざっと説明する。
①発作期(初診から五診5/14までの一週間)
初診(5/8)からの一週間に五回治療した。
六診(5/15)には、喘鳴・セキ・盗汗・夜間の喘息いずれも無くなり、
睡眠状態も改善した。
しかし、すんなりと諸症状が改善したわけではなかった。
五診までの一週間のうちに、二度ほど発作が起きた。
一回目の発作では一日に二回治療した。5月10日(水)に、朝・夕一日二回治療(二診・三診)した。
これは、午前中に治療して楽になって帰ったが、
夕方に呼吸が苦しくなってきたからである。
「いつもは夜中の一時過ぎに苦しくなるのに、
今から始まったのではたまらない・・・・」と。
この日二度目の治療後は、呼吸が楽になり眠れた。
その後四診(5/12)まで、順調に改善していた。
二回目の発作では、起座呼吸になっていた。五診(5/14)には
「ゆうべ(5/13)は喘息ひどくてまったく横になれなかった」
という電話をもらい、休日なのだが急遽治療した。
治療室のベットでも起座呼吸で横臥できない状態だった。
この日は、治療後呼吸が楽になり、
夜も八時間ぐっすり眠れた。
5/14からしばらく犬を妹に預けることにする。
②緩解期(六診5/15以降、06秋まで)
5/13(土)を最後に喘息発作は無くなった。
5/15(月)からは週に三~五回の割合で治療し順調に回復していった。
5/16から本人の希望で、専門の医師による中医の湯液処方も併用する。
最初は息切れがひどいので、タクシーでの通院だった。
11診(5/22)からは電車での通院となり、
停留所から十分ほどの距離も、歩いて通えるようになる。
6/4には妹に預けていた犬を引き取り、犬との散歩も再開した。
例年は雨や台風・冷房などの影響で、
頭が痛くなり、しばしば喘息気味にもなっていた。
この年の梅雨や夏はそれがほとんど無かったので、
例年に比べて楽に過ごすことができた。
ただし緩解期に入ってから飲み始めた湯液によって、
しばしば胃が重くなった。
服用量や処方内容を工夫して、
胃に負担にならなくなるまでしばらくかかったようだ。
最終的には大人の三分の二の量に落ち着いた。
このことは主訴の病因病機と関わっている。(緩解期の湯液処方後述)