歴史を知ろう-12 近代中国の裏面史 |
宮脇淳子著(監修・岡田英弘)
『真実の中国史1840-1949』李白社2011/11
秦郁彦
『陰謀史観』新潮新書2012/4
中国史は、講談社学術文庫の中国の歴史シリーズ3 魏晋南北朝(川勝義雄)と、おまけに
4 隋唐帝国(布目潮渢・栗原益男)
5 五代・宋(周藤吉之・中嶋敏)
6 元・明(愛宕松男・寺田隆信)
7 清帝国(増井経夫)中国通史(堀敏一)で、一通り清末までは目を通した。
7 清帝国(増井経夫)では、民国にかけての記述が少なかった。
宮脇氏の本は、アヘン戦争から共産党による現体制に至る、中国の裏面史というか
戦前戦後の左翼やマルクス史観の眼鏡を取っ払うと、こんな風に見えるという一例。
孫文にたいしては辛口の評価なのが、新鮮だった。
秦氏の本は、明治以降おもに太平洋戦争をはさんだ、日本の社会・政治についての主に政治分野での陰謀史観を取り上げ、
そのほとんど全てを、まあ、切って捨てる・・・というものだ。
どうしてそこまで、必死に陰謀説を否定しまくるのかよくわからない。
確かに、陰謀史観にはおかしな説は多々あるのだが、灰色で「ほんとはどっちなの」という肝腎なところの批判はすっ飛ばしているような感じ。
両書共に、1928年の張作霖爆殺事件の主犯に関しては、全く逆の立場である。
かたやコミンテルンの謀略説、片や河本大作大佐主謀説・・・。
・・・藪の中?