虚労のときの過敏・・・生体の自然な反応 |
疲労がたまり虚労状態になると、普段なんともないはずのあらゆる刺激が負担になるので、体はそれを避けようとして、刺激に対する感度の閾値を下げる。
人の声、通りの騒音、冷暖房、照明、看板の映像や文字、など人工的な環境刺激はもちろんである。
さらに普段は問題にならない程度の自然からの物理刺激(音、光、風、湿度、温度のような)も、負担になる。
閾値が下がり感覚は敏感になり、体は無意識に負担になる刺激を避けようとする。
負担になる刺激の多い場所も、避けるようになる。
これは生体の自然な反応と言える。
したがって、自然および人工の両方の環境・物理刺激に加え、
外出する、人ごみに出かける、公共交通機関を利用する、電話する、人と会って話す、交渉事をするなど、社会的人間的な刺激が加わるとさらに負担は増すので、そういった刺激の多い社会的行為自体を避けるようになる。
ところが、この生体の自然な反応である《敏感な感覚》を、「意識」の力によって無視して行動をし続けると、やがて感覚はマヒしてしまうか、
あるいはさらに過剰に敏感になってしまう。