飲食についての原則・・・まず毒物を避ける |
伝統医学の時代は、環境と農水産物の毒性については、心配する必要がほとんどなかった。
中国医学でいえば、「後天の気(生まれて以後の心身を養うもの)」、つまり「清気(空気)」と「水穀(水と穀物)」の質・毒性については、ほとんど心配する必要がなかった。
薬物についても、つねに毒性を意識して使っていたので、漫然と薬物を服用し続けることはなかった。
たとえば『神農本草経』では、薬物を上薬(無毒多服久服不傷人)・中薬(無毒有毒斟酌其宜)・下薬(多毒不可久服)と分けて毒性を見極めて、「毒性のあるものは病情に応じて用い長く服用してはいけない」とされている。
しかし現代は、伝統医学の時代には考慮する必要のなかった、
神経毒性や内分泌霍亂作用・免疫かく乱作用などを持つ「毒物」や「有害物理刺激」が蔓延している。
まずこれらを極力避けた上で、
初めて伝統医学の治療や養生が成り立ち、効果があらわれる。
代替医療とて同じであり、
栄養素、機能性食品、サプリメントなどを云々する前に、
以下に列挙するような毒物・有害刺激を排除することがまず大前提である。
(これらの毒物や有害物理刺激を含む現代生活のもたらす病因については
「現代社会に特徴的な病因とその《病機》」にリストがあるので参照のこと。)
【自然環境】
大気の汚染
水の汚染
土壌の汚染
放射性物質
低周波振動
電磁波
(携帯電話、電子機器、電気毛布、電磁調理器、高圧電線・携帯基地近辺など)
【一次産業】
栽培における農薬・ポストハーヴェスト(有機リン、ネオニコチノイドなど)
畜産における薬品(抗生物質、ホルモン剤)、過密飼育など
生物による濃縮
遺伝子組み換え作物自体の毒性(発がん性など)
・・・参考『モンサントの不自然な食べ物』遺伝子組み換え作物(GMO)
ジャン・ポール・ジョー『世界が食べられなくなる日』
【社会・人工環境】
機密性の部屋と揮発物質の高濃度化
建築材料や家具の化学物質
建物の消毒、シロアリ駆除剤、除草剤など
広範囲の農薬空中散布
さまざまな廃棄物
【食品】
加工食品・インスタント食品の氾濫
(栄養・生命力は落ち、余計な添加物が混じる)
化学調味料
砂糖・人工甘味料の過剰使用
食品添加物(防腐剤、色素、香料などはほとんどの加工食品やファーストフードやジャンクフードに入っている)
食品容器からの化学物質や重金属融解
電子レンジの栄養破壊作用
【日用品】
合成洗剤、シャンプー、化粧品、芳香剤、柔軟剤、ヘアスプレー、殺虫剤など
ワックス、プラスチック製品等からの揮発性物質
【医薬品・医療機器】
ほぼすべての医薬品は、化学薬品であり多かれ少なかれ毒性を持つ。
(たとえば抗がん剤は、それ自体が発がん性を持つ。
ワクチンにはアルミや水銀化合物、防腐剤などが添加されている。)
機材の中に占める石油化学製品の割合が大きい
使い捨て機材は更なる汚染を生む