隠白の直接灸・・・半米粒二壮で止血 |
四十代前半の、知り合いの女性。(やや肥満気味の元気な人)
子宮内膜症で、一年前から不正出血(20~40日間出血がつついたり、数日で終わっててしまったり、数ヶ月生理がなかったり・・・)がしばしば起こる。
最近は比較的安定して、定期的に平常に近い生理が来ていた。
今回は三日前に生理が始まったが、出血量がものすごく多い。
夜間などは、一番大きなバットでも数回取り替えないといけない。
この数週間、非常に多忙で疲労がたまっている。
面色・黄
舌・津少、紅
脉・沈稍滑、左按じてやや実、右按じて稍不足
腹・心下から季肋に掛けて緊張して、押されると苦しい。
背・全体にパンパンに張っている。特に右の心兪付近、脾兪付近、魄戸~膏肓は、コリが強い。
【治療】
①肝兪・脾兪・大腸兪・・・いずれも接触(理気、健脾、降気)
②右の三陰交に置鍼・・・1寸二番(補血)
③その間に、両方の隠白にお灸・・・半米粒二壮
(本当は三壮すえようと思ったのだが、初めての灸で、痛がるため二壮でやめた。
一応完全に燃え尽きるわずか手前で消してはいるので、完全な透熱灸ではない。)
①と②は、普段と同じ治療。
③は出血に対応している。
治療後は、背・腹ともに緊張は緩む。
治療が終わって、二十分ほど雑談をしていると「なんか、止まったみたい」という。
治療の二日後、別の用事でその女性から電話があり、その後の経過を問うと、
「あのあと、出血は止まったままだ」とのこと。
今回は、生理三日目の段階で治療した。
以前の不正出血の経過では、一週間以上出血が続くことが多かったので、隠白の灸は止血に効果があったようだ。
ずうっと以前、別の不正出血の女性にも、隠白の灸をして出血が軽減したことがある。
脾の統血作用を強めるのだろう。
こういう場合は、直接灸が良いようだ。