なぜ分からないのか、その理由は・・・中込照明『唯心論物理学の誕生』 |
p18「使い方の理論」というのは、なんとなく吉益東洞等の古方派のやり方にも通じるような・・・。
「量子力学は自然あるいは世界の使い方の理論である。
この理論によって自然あるいは世界を理解しようとすると、
たちどころに分からなくなるのである。
車の運転教則本をいくら勉強しても車の構造はわからないように、
量子力学をいくら勉強しても自然の構造はわからないのである。
自然あるいは世界の仕組みについての理論ではないからである。
この分からなさが量子力学の分からなさなのである。」
ただし、古方派は世界の仕組みについて「たちどころに分からなくなった所」から始まっている・・・というところが量子力学とは違うけれど。
p30
「量子力学には自前の世界モデルがない。
そのため物理学者は無反省に、
ニュートン力学以来の決定論的世界モデルを
相対性理論の四次元時空解釈によって強化した古典的世界モデルを前提としてしまう。
この古典的世界モデルでは決して非決定性の原理を整合的に扱う使うことはできない。」