メモ
主訴は膝痛なのだけれど、両足に浮腫が出ていた70歳代の男性。
余りにむくみがひどくて、下腿だけではなく膝から上もむくんでいる。
踝などは凹凸が無くなって、象の足のようになっている。
一か月ほど経過を見て、その間いろいろと聞いてみると、どうも、薬が怪しい。
降圧剤(カルシウム拮抗剤CCBとアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬ARB)を長期服用している。
他にも、スタチンとか前立腺肥大の薬も飲んでいる。
主治医に足のむくみの話をしても、取り合ってくれないとのこと。
転医を進めてみたところ、
新しい循環器の医師による処方が変わった。
カルシウム拮抗剤(CCB)は休止となり
ラシックスとARB
という組み合わせ(尿酸生成阻害薬も含む)に変わった。
その結果、
カルシウム拮抗剤を止めて一カ月たたないうちに、
むくみが改善し、くるぶしの凹凸が戻って、象の足から人の足らしくなった。
まだ脛には多少のむくみが残っている。
本当はARBもやめたらよいのだが、
血圧がぐんと跳ね上がるそうなので、考えどころらしい。
こんな場合(薬物を休止せずに)、いくら利湿の鍼をしたり湯液を出しても、
対症療法となり、多分結局は、無駄となることだろう。
病機そのものから考えれば、服用をやめることが
「本治」といえる。
参考